「土地を持っているなら、アパート経営に使った方がいいのかな?」
「周りからは、土地は持っているだけでも大変だから売った方がいいと言われる」
「でも調べてみると、土地ありのアパート経営は有利という情報も出てくる」
そんなふうに迷っている方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、土地をすでに持っている人は、土地から購入してアパート経営を始める人より有利な条件になりやすいです。
ただし、アパートだけが答えではありません。土地活用の代表的な方法、50坪で建てられるアパートの検討例、土地を貸す場合の収入、土地活用のビジネスモデルも比較してから判断すると、選択肢を狭めすぎずに済みます。
ただし、土地があるからといって、どんな土地でもアパート経営に向いているわけではありません。
大切なのは、
- その場所に賃貸需要があるか
- 入居者が求める間取りをつくれるか
- 建築費に見合う家賃が取れるか
- 駐車場や接道などの条件に問題がないか
- 融資を受けても手残りが出るか
- 将来売却しやすい土地・建物になるか
まで確認することです。
特に土地をすでに持っている場合は、土地購入費がかからない分、その土地を売って現金化するのか、収入を生む資産として活用するのかを比較する価値があります。
私は土地を見るとき、最初から「ここにアパートを建てよう」とは考えません。
まず見るのは、この土地に住みたい人がいるのか。そして、家賃・建築費・融資を含めても事業として成り立つのかです。
この記事では、土地ありでアパート経営を考えている方に向けて、どんな土地がアパート経営に向いているのか、土地ありのメリット、収支、注意点を現場目線でわかりやすく解説します。
土地ありのアパート経営はなぜ有利?
土地購入費がかからない分、総事業費を抑えやすく、融資や収支の面でも有利になりやすい。
続けて見るポイントは、
- 土地代がかからない
- 土地を担保評価に使える場合がある
- 自己資金を抑えられる可能性がある
- 総投資額が下がる分、利回りを出しやすい
- 売却ではなく「収益を生む資産」に変えられる
この5つ。
ただし最後に、
「土地がある=必ず成功する」ではなく、その土地に賃貸需要があることが大前提
アパート経営に向いている土地を見極める7つのポイント

土地をすでに持っていると、土地購入費がかからない分、アパート経営を検討しやすくなります。
ただし、土地があることと、その土地がアパート経営に向いていることは別です。
土地代がかからなくても、入居者が集まらなかったり、建築費に対して家賃が低かったりすれば、収支は合いません。
私なら、アパートを建てる前に次の7つを確認します。
1.賃貸需要がある
最初に見るのは、その場所に住みたい人がいるかです。
どれだけ土地の条件が良くても、入居者が集まらなければアパート経営は成り立ちません。
たとえば、
- 駅やバス停を利用しやすい
- スーパーやコンビニなど生活施設がある
- 学校や大学が近い
- 工場・病院・オフィスなど働く場所がある
- 周辺の賃貸住宅に一定の入居がある
といった地域は、賃貸需要を確認しやすい場所です。
反対に、周辺のアパートに空室が目立つ地域では、「土地を持っているから」という理由だけで建てるのは慎重に考えたいところです。
見るべきなのは土地そのものより、
この場所で、誰が部屋を借りるのか
です。
2.周辺家賃で事業収支が合う
次に確認するのが、その地域で取れる家賃と建築費のバランスです。
土地を持っている人は土地購入費がかからないため有利ですが、建物は別です。
建築費が高くても、周辺相場以上の家賃を自由に設定できるわけではありません。
たとえば周辺の家賃相場が6万円なのに、収支を合わせるために8万円で計算してしまえば、計画そのものが現実とズレてしまいます。
確認したいのは、
建築費
↓
周辺の家賃相場
↓
想定戸数
↓
満室時の家賃収入
↓
空室・管理費・修繕費などの経費
↓
ローン返済
↓
実際の手残り
です。
土地代がゼロだから儲かるのではなく、土地代がかからない条件を活かして、収支が成立するかを見る。
ここが大切です。
3.接道・間口・土地の形が使いやすい
同じ100坪の土地でも、すべて同じアパートが建つわけではありません。
道路との接し方や間口、土地の形によって、建物の配置は大きく変わります。
たとえば、
- 道路に接している部分が十分ある
- 間口が確保されている
- 極端に細長くない
- 不整形すぎない
- 建物への出入りがしやすい
といった土地は、アパートの計画を立てやすくなります。
一方で、土地面積は広くても、旗竿地や極端な不整形地では、思ったほど建物を配置できないことがあります。
土地を見るときは、
「何坪あるか」だけでなく「どう使える形なのか」
を見る必要があります。
4.建ぺい率・容積率を活かしやすい
土地には、建てられる建物の大きさに制限があります。
代表的なのが、
- 用途地域
- 建ぺい率
- 容積率
- 高さ制限
- 斜線制限
などです。
土地が広くても、建築条件によって十分な床面積を確保できなければ、想定していた戸数をつくれない場合があります。
反対に、容積率を活かしやすい土地なら、同じ土地面積でも多くの賃貸面積を確保できる可能性があります。
重要なのは、
土地面積ではなく、実際にどれだけの賃貸床面積をつくれるか
です。
アパート経営では、建てられる面積がそのまま収入に影響するため、建築前に必ず確認したいポイントです。
5.必要な戸数や間取りを配置できる
アパート経営では、ただ建物が建てられればいいわけではありません。
その土地で、収支に必要な戸数と、地域で求められる間取りを確保できるかを見る必要があります。
たとえば、
6戸なら収支が合う
↓
しかし土地の形や建築条件から4戸しか取れない
↓
想定していた家賃収入にならない
ということもあります。
また、地域によって求められる部屋も違います。
単身者が多い地域なら1Kや1LDK、ファミリー需要が強い地域なら2LDKなど、周辺需要に合わせて考える必要があります。
つまり、
「何戸入るか」だけではなく、「需要のある部屋を何戸つくれるか」
まで確認することが重要です。
6.駐車場・駐輪場・ゴミ置き場などを確保できる
アパートは建物だけで完結しません。
実際には、
- 駐車場
- 駐輪場
- ゴミ置き場
- 共用通路
- エントランス
- 建物へのアプローチ
などのスペースも必要です。
特に車移動が中心の地域では、駐車場の有無が入居者募集に大きく影響することがあります。
「8戸建てられる」と思っていても、駐車場を8台確保すると建物を小さくしなければならないケースもあります。
逆に駅前・駅近など、車を持たない入居者が多いエリアでは、駐車場台数を抑えて建物に面積を使える場合もあります。
建物だけでなく、入居者が実際に生活できる配置まで含めて考える。
これが大切です。
7.高低差・擁壁・地盤などで余計な建築費がかかりにくい
見落としやすいのが、土地そのものに追加工事が必要になるケースです。
たとえば、
- 土地に大きな高低差がある
- 古い擁壁がある
- 地盤改良が必要になる
- 既存建物の解体費がかかる
- 上下水道の引き込みに費用がかかる
- 道路との高さ調整が必要になる
といった場合です。
土地を持っている人は、
「土地代がかからないから有利」
と考えやすいのですが、造成・擁壁・地盤改良などに大きなお金がかかると、そのメリットが小さくなることがあります。
だから私は、土地ありのアパート経営ほど、
建物本体の価格だけで判断しないこと
が重要だと思っています。
建築費に加えて、土地をアパート用地として使える状態にするまで、いくら必要なのかを確認します。
現場の本音
土地を持っている人のアパート経営で、一番もったいないのは、
「土地代がかからないから、とりあえず建てる」
と考えてしまうことです。
土地ありは確かに大きな強みです。
でも、本当に見るべきなのは、
賃貸需要がある
+ 家賃と建築費が合う
+ 必要な戸数をつくれる
+ 土地に余計なお金がかからない
という条件が揃っているかです。
私なら、まず土地に建物のプランを当てて、
何戸取れるか → 家賃はいくらか → 総事業費はいくらか → ローンを払っていくら残るか
まで数字にします。
そこで初めて、
「この土地はアパート経営に向いている」
と判断します。
土地を持っていること自体がゴールではありません。
その土地を、毎月安定して収入を生む資産に変えられるか。
ここまで考えるのが、土地ありのアパート経営では大切です。
自分の土地で「何戸建つか」を無料で確認する方法
「自分の土地なら、実際に何戸くらいのアパートが建てられるんだろう?」
そう思った方は、土地活用会社から実際のプランを出してもらう方法があります。
現在所有している土地の情報をもとに、土地活用のプラン作成や見積もりを無料で一括依頼できます。
何戸くらい建てられるのか、どのくらいの事業費になるのか、どんな収支が考えられるのか。
一般論だけでは分からない部分を、実際のプランを見ながら比較できるのがメリットです。
まだアパートを建てると決めていなくても、まず自分の土地でどんな計画ができるのかを確認してから判断するのも一つの方法です。
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まずは「何戸建つのか」「家賃はいくら見込めるのか」「収支が合うのか」を数字で確認してから、アパート経営をするか考えても遅くありません。
アパート経営に向いていない土地は?
土地を持っていても、無理にアパートを建てる必要はありません。
むしろ、次のような土地では一度立ち止まって、ほかの活用方法も含めて比較した方がいいと私は考えます。
周辺のアパートに空室が目立つ
まず確認したいのは、周辺の賃貸物件です。
新しいアパートでも「入居者募集中」の部屋が多かったり、長期間空室になっている物件が目立ったりする地域では、賃貸需要そのものが弱い可能性があります。
土地があるから建てるのではなく、
「このエリアで、さらに新しい部屋が必要とされているのか」
を見ることが大切です。
建築費に対して家賃が低い
土地代がかからなくても、建築費は必要です。
周辺家賃が低い地域では、満室になっても建築費やローン返済に対して十分な手残りが出ないことがあります。
たとえば、
建物は建てられる
↓
家賃も取れる
↓
でもローン・管理費・修繕費を引くとほとんど残らない
のであれば、アパートを建てる意味をもう一度考える必要があります。
土地の形や接道条件が悪く、思ったほど戸数を取れない
土地が100坪あっても、その100坪を自由に使えるわけではありません。
間口が狭い、不整形、高低差が大きい、道路との接し方に問題があるなどの条件によって、建物や駐車場の配置が難しくなることがあります。
結果として、
「6戸取れると思っていたのに4戸しか入らない」
となれば、収支計画も大きく変わります。
造成・擁壁・地盤改良などに大きな費用がかかる
建物本体以外に大きなお金が必要な土地もあります。
古い擁壁のやり直し、地盤改良、造成、解体、上下水道の引き込みなどが必要になると、土地を持っているメリットが小さくなることがあります。
土地ありのアパート経営では、建築会社から提示された「建物価格」だけを見るのではなく、土地を使える状態にするまでの費用も確認したいところです。
将来も賃貸需要が続くイメージを持てない
今は入居者がいても、10年後、20年後まで同じとは限りません。
人口が減っている地域や、大学・工場など特定の需要だけに大きく依存している地域では、その需要がなくなったときの影響も考えておく必要があります。
アパートは建てた瞬間より、むしろその後の長い期間が重要です。
「今なら満室になりそう」
だけではなく、
「10年後もこの場所に住みたい人がいるだろうか」
という視点も持っておきたいところです。
現場ではこう見る
土地を持っていると、「せっかく土地があるなら何か建てた方がいい」と考えやすくなります。
でも私は、まず
賃貸需要・建築費・家賃・戸数・追加工事費
を並べて数字で確認します。
そこで収支が合わなければ、アパートにこだわりません。
駐車場、店舗用地、別の土地活用、いったん何もしないという選択肢も含めて比較します。
目的はアパートを建てることではなく、その土地を長期的に活かすことです。
土地ありのアパート経営は、土地なしと比べてどれだけ有利?

土地をすでに持っている人の大きな強みは、土地購入費がかからないことです。
たとえば、千葉県北西部で100坪程度の土地に8戸のアパートを建てるケースを考えてみます。
土地を購入する場合は5,000万円、建築費は7,000万円とします。
| 項目 | 土地あり | 土地を購入して始める |
|---|---|---|
| 土地代 | 0円 | 5,000万円 |
| 建築費 | 7,000万円 | 7,000万円 |
| 総事業費 | 7,000万円 | 1億2,000万円 |
| 戸数 | 8戸 | 8戸 |
| 家賃+共益費 | 8.5万円/戸 | 8.5万円/戸 |
| 満室時月収 | 68万円 | 68万円 |
| 満室時年間収入 | 816万円 | 816万円 |
| 月々のローン返済 | 約25.2万円 | 約43.2万円 |
| 年間ローン返済 | 約302万円 | 約518万円 |
| 年間の返済後手残り | 約514万円 | 約298万円 |
| 年間手残りの差 | +約216万円 | ― |
| 10年間の返済後手残り | 約5,139万円 | 約2,980万円 |
| 10年間の差 | +約2,159万円 | ― |
※金利1.8%・30年返済、満室が続くものとして単純比較。管理費、修繕費、固定資産税、保険、空室などは含めていません。
同じ8戸、同じ家賃でも、土地をすでに持っているだけで、ローン返済後の手残りは年間で約216万円、10年間では約2,159万円の差になります。
もちろん実際には管理費や修繕費、税金、空室などがあります。それでも、土地購入費5,000万円を背負わずに始められることが、土地ありのアパート経営の大きな強みだと分かります。
土地があれば自己資金なしでもアパート経営できる?
土地をすでに持っている人が気になるのが、
「土地が担保になるなら、手元のお金を使わずにアパートを建てられるのでは?」
という点です。
結論からいうと、土地の評価や本人の属性、アパートの収支によっては、自己資金を大きく抑えて建築できる可能性があります。
ただし、土地を持っているだけで必ず自己資金ゼロになるわけではありません。
金融機関は主に、
- 土地の担保評価
- 建築費
- 想定家賃と収支
- 本人の年収や勤務先
- 既存の借入
- 手元資金
- 完成後の物件価値
などを見ながら融資額を判断します。
土地の評価が「自己資金の代わり」のように働くことがある
たとえば、すでに所有している土地に5,000万円の評価があり、その上に7,000万円のアパートを建てるとします。
土地をこれから購入する人なら、
土地5,000万円+建物7,000万円=総事業費1億2,000万円
を用意しなければなりません。
一方、土地をすでに持っている人は、新たに必要になる大きな資金は建築費が中心です。
さらに金融機関から見れば、すでに所有している土地そのものに担保価値があります。
そのため、土地の評価が十分あり、アパートの収支にも問題がなければ、建築費の多くを融資でまかなえるケースもあります。
ただし「自己資金ゼロ=現金が一切いらない」ではない
ここは注意したいところです。
建物本体以外にも、
- 登記費用
- 融資手数料
- 火災保険
- 測量や地盤調査
- 解体費
- 外構工事
- 水道などの引き込み
- 建築中や完成直後の予備資金
などが必要になる場合があります。
銀行から建築費を借りられたとしても、ある程度の現金を手元に残しておく方が安全です。
現場ではこう見る
私は「自己資金ゼロで建てられるか」だけでは判断しません。
大切なのは、
いくら借りられるかではなく、借りたあとに無理なく返せるか。
です。
土地を持っていることは、確かに大きな強みです。
でも、その強みを使って借入額を最大化するのではなく、
土地の評価を活かしながら、手元資金を残し、毎月の返済にも余裕を持たせる。
その方が、長くアパート経営を続けやすくなります。
土地を売るか、アパートを建てるか?どちらがいい?

土地を持っていると、
「管理も大変だし、売って現金にした方がいいんじゃない?」
と家族や周囲から言われることがあります。
確かに、土地を売ればまとまった現金を手にでき、固定資産税や管理の負担からも離れられます。
一方、アパートを建てれば、土地そのものを残しながら家賃収入を得られる可能性があります。
大切なのは、どちらが正解かではなく、自分がその土地を今後どうしたいのかです。
| 比較 | 土地を売る | アパートを建てる |
|---|---|---|
| 土地の所有 | 手放す | 残せる |
| お金の入り方 | 売却時にまとまった現金 | 毎月の家賃収入 |
| 管理の負担 | 基本的になくなる | 建物・入居者管理が必要 |
| 借入 | 基本的に不要 | 建築融資を使う場合が多い |
| 将来 | 売却代金をどう運用するか | 土地と建物をどう維持するか |
| 次世代への承継 | 現金などで残す | 土地・建物として残す |
売却が向いているケース
たとえば、
- 今後その土地を使う予定がない
- 賃貸需要が弱い
- アパートを建てても収支が合わない
- 土地の管理を次の世代に残したくない
- まとまった資金を別の目的に使いたい
という場合は、売却も十分に考えられる選択肢です。
駅に近く、ある程度の広さがある土地なら、マンション用地としてデベロッパーに売れる可能性もあります。どんな土地が売れるのかは「その土地、マンション用地として売れる?デベロッパーが見る7つの条件」で解説しています。
無理にアパートを建てて赤字を抱えるくらいなら、土地を売って資産を組み替えた方がいいケースもあります。
アパート経営を検討する価値があるケース
反対に、
- 賃貸需要がある
- 建築費と家賃の収支が合う
- 土地をできれば手放したくない
- 土地を次の世代へ残したい
- 毎月の収入を生む資産として活用したい
という場合は、アパート経営を検討する意味があります。
特に土地をすでに持っている場合は、先ほどの比較のように土地購入費がないことが大きな強みになります。
「売ったらいくら」と「持ったらいくら」を比べる
私なら感情だけで決めず、まず数字を並べます。
たとえば、
今売ったら5,000万円になる土地
だとします。
一方、その土地にアパートを建てるなら、
年間いくら残るのか
10年間でいくら残るのか
その時点で土地と建物がどうなっているのか
まで確認します。
ただし、ここで注意したいのが、「5,000万円で売れる=5,000万円がそのまま手元に残る」わけではないことです。
土地を売却すると、仲介手数料などの売却費用がかかるほか、利益が出た場合には譲渡所得に対して税金がかかる場合があります。
そのため比較するときは、
売却価格5,000万円
ではなく、
売却後に税金や諸費用を差し引いて、実際にいくら手元に残るのか
を見る必要があります。
土地を売ると譲渡所得税がかかる場合がある
土地を売却して利益が出た場合は、原則として譲渡所得に対して所得税・住民税などがかかります。
譲渡所得は、単純な売却価格ではなく、
売却価格 − 取得費 − 売却にかかった費用 − 適用できる特別控除
などをもとに計算します。
土地を売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超える「長期譲渡所得」の場合、基本税率は所得税15%・住民税5%で、さらに復興特別所得税がかかります。実質的には約20.315%です。
5年以下の短期譲渡所得では約39.63%になります。
また、先祖代々の土地を相続した場合は、原則として亡くなった方が取得した時期を引き継いで所有期間を判定します。
つまり、
「今5,000万円で売る」
のと、
「土地を残して、アパートから長期的に家賃収入を得る」
を比較するときは、売却価格だけを見ても正確には比べられません。
売却した場合の税引き後の手取り額と、土地を活用した場合の長期的な収入を比べる。
ここまで数字を出してから判断することが大切です。
先祖代々の土地なら、金額だけでは決められないこともあります。
だからこそ、最初から「売る」「建てる」と決めるのではなく、売った場合と持ち続けた場合の両方を数字で確認してから決めるのがいいと思います。
先祖代々の土地をアパートにするなら、次の世代まで考える
土地をすでに持っている方の中には、親や祖父母から受け継いだ土地を所有している方もいるでしょう。
そうした土地は、単純に
「高く売れるなら売る」
とは決めにくいものです。
家族の思い入れがあったり、「できれば子どもにも残したい」と考えたりすることもあります。
その場合、アパート経営は、土地を手放さずに収入を生む資産へ変える方法の一つになります。
ただし、土地を残せればそれでいいわけではありません。
次の世代に「土地」だけでなく「経営」も引き継ぐことになる
アパートを建てれば、将来その土地を相続する家族は、
- 土地
- 建物
- 入居者
- 管理会社との契約
- 修繕
- 借入が残っていればローン
まで引き継ぐ可能性があります。
つまり、アパート経営は土地活用であると同時に、次の世代へ事業を引き継ぐことでもあります。
だから私は、建てる時点で、
「自分の代では収支が合う」
だけではなく、
10年後、20年後にこのアパートを引き継いでも負担にならないか
まで考えておきたいと思います。
「土地を残す」より「収益を生む状態で残せるか」
先祖代々の土地だから売らない。
その考え方自体は自然です。
ただ、毎年固定資産税だけ払い続け、管理の負担だけが残る土地になってしまうと、次の世代にとっては重荷になることもあります。
反対に、
賃貸需要があり、
無理のない借入で、
修繕資金も確保でき、
毎月安定した家賃収入が残る。
そんな状態をつくれれば、土地は単に「守るもの」ではなく、家族に収入を生む資産として残せる可能性があります。
現場の本音
先祖代々の土地を見るとき、私は「売るか、売らないか」だけでは考えません。
この土地を次の世代へ渡したとき、喜ばれる資産になっているか。
ここまで考えます。
土地を残した結果、赤字のアパートと大きな修繕費だけが残ってしまえば意味がありません。
一方で、需要のある土地をうまく活用できれば、土地を手放さずに長く収入を生み続ける資産へ変えられる可能性があります。
土地を残すことより、価値のある状態で残すこと。
先祖代々の土地を活用するときは、この視点も大切です。
土地ありのアパート経営で失敗しないための注意点

土地を持っている人は、土地購入費がかからない分、有利な条件でアパート経営を始めやすいです。
ただし、その有利さだけを見て進めると失敗することがあります。
特に確認したいのは、次の5つです。
1.営業担当者の家賃設定をそのまま信じない
収支計画では、家賃設定が少し高いだけでも手残りは大きく変わります。
周辺の募集家賃だけではなく、実際にどのくらいで成約しているのか、築年数が進んだときにどこまで家賃が下がる可能性があるのかまで確認したいところです。
2.「土地があるから借りられる」と考えすぎない
土地に担保価値があっても、融資は建築計画や収支、本人の属性まで含めて判断されます。
借りられる金額と、無理なく返せる金額は同じではありません。
3.満室前提で考えない
完成直後は満室でも、その状態がずっと続くとは限りません。
空室が出たときでも返済を続けられるか、家賃を下げた場合でも収支が崩れないかを見ておくことが大切です。
4.修繕費を後回しにしない
アパートは年数が経てば修繕が必要になります。
外壁、屋根、防水、給湯器、エアコンなど、まとまった費用が必要になる時期があります。
毎月の手残りを全部使うのではなく、将来の修繕資金を残しておく必要があります。
5.1社だけの提案で決めない
建築会社によって、
- 建築費
- 戸数
- 間取り
- 想定家賃
- 融資条件
- 収支計画
は変わります。
1社の提案だけを見ると、それが高いのか安いのか、家賃設定が現実的なのか判断しにくいです。
できれば複数社のプランを比較して、なぜこの計画になるのかを説明できる会社を選ぶことが大切です。
土地ありのアパート経営でよくある質問
土地を持っていればアパート経営は有利ですか?
土地を購入して始める場合と比べると、土地購入費がかからない分、総事業費を抑えやすいのが大きなメリットです。
さらに、土地の評価や本人の属性、事業収支によっては、融資面でもプラスになる可能性があります。
ただし、土地があるだけで成功するわけではありません。
賃貸需要や建築費、家賃、戸数などを確認し、事業として収支が合うことが前提です。
どんな土地がアパート経営に向いていますか?
特に重要なのは、賃貸需要と収支が見込める土地かどうかです。
駅や生活施設へのアクセスだけでなく、周辺家賃、土地の形、接道、建ぺい率・容積率、駐車場の確保、造成費なども確認します。
土地の広さだけで「アパート向き」と判断しないことが大切です。
土地があれば自己資金なしでも建てられますか?
土地の担保評価や本人の収入・資産、建築計画、アパートの収支によっては、自己資金を抑えて融資を受けられる場合があります。
ただし、土地がある=必ず自己資金ゼロではありません。
登記費用や融資手数料、保険、外構工事など、建物以外の費用が必要になることもあります。
土地を売るのとアパートを建てるのはどちらがいいですか?
一概には決められません。
売却すればまとまった現金を得られますが、土地は手放すことになります。
アパート経営なら土地を残しながら家賃収入を得られる可能性がありますが、借入や建物管理、空室、修繕などのリスクがあります。
「今売った場合の金額」と「活用した場合の長期的な収入」を数字で比較して判断することが大切です。
アパートを建てる前に何から始めればいいですか?
まず、土地の条件をもとに実際に何戸建てられるのか、どのくらいの家賃が見込めるのか、建築費はいくらかかるのかを確認します。
土地活用会社や建築会社にプランを出してもらい、できれば複数社を比較すると判断しやすくなります。
まとめ|土地ありの強みを活かせる土地か、数字で確認してから判断する
土地をすでに持っている人のアパート経営は、土地を購入して始める場合と比べて有利になりやすいです。
土地購入費がかからないことで総事業費を抑えやすく、融資条件によっては手元資金を残しながら建築できる可能性もあります。
ただし、大切なのは「土地があるからアパートを建てる」ことではありません。
確認したいのは、
- その場所に賃貸需要があるか
- 周辺家賃で収支が合うか
- 必要な戸数を確保できるか
- 建築費や追加工事費が高くなりすぎないか
- ローン返済後にも余裕が残るか
- 長期的にその土地を活かせるか
という点です。
土地を売れば、まとまった現金になります。
一方で、条件の合う土地なら、手放さずに毎月収入を生む資産へ変えられる可能性があります。
だからこそ、売るか建てるかを先に決めるのではなく、
まず自分の土地でどんなアパートが建ち、どんな収支になるのかを数字で確認する。
そのうえで、アパート経営、売却、ほかの土地活用を比較することが大切です。
不動産投資を、もっと正直に。
LIVE GEMINI




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