不動産投資の本おすすめ7選|宅建士が教える初心者の読む順番【書籍ガイド】

不動産投資初心者におすすめの本7選 はじめての不動産投資

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不動産投資を始めたいけれど、何から勉強すればいいのかわからない。

Amazonで本を探しても、初心者向けの入門書から融資、税金、賃貸経営の専門書まで、たくさんの本が出てきます。

結論から言うと、初心者は最初から7冊すべてを読む必要はありません。

まずは全体像を知り、お金と資産の考え方を学び、失敗を避けるための視点を身につける。この順番がおすすめです。

私は宅地建物取引士として、不動産の売買や土地活用、アパート建築の提案営業に携わってきました。

その経験から感じるのは、不動産投資では知識の量よりも、物件を前にしたときに自分で判断できることが大切だということです。

この記事では、私が実際に読んだ3冊と、出版社・著者の公開情報をもとに実務者の視点で選んだ4冊、合計7冊を紹介します。

それぞれの本について「何を学ぶのに向いているか」「どんな人には向かないか」「現場ならどう考えるか」を整理しました。

特に、これから不動産投資を始めたい会社員や、50代から資産形成を考えている方に読んでいただきたい内容です。

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  1. 結論:初心者はこの3冊から読めばいい
    1. 最初は「何を買うか」より「なぜ買うか」
  2. 不動産投資の本・書籍の選び方|実務者が見る3つのポイント
    1. ① 出版年が古い本でも役に立つ?
    2. ② 著者が投資家・不動産業者・税理士で何が違う?
    3. ③ 成功談だけの本を選んでもいい?
  3. 初心者におすすめの本7選
    1. ① 世界一やさしい 不動産投資の教科書 1年生|最初の一冊におすすめ
    2. ② 不動産投資の学校[入門編]|購入までの流れを学びたい人に
    3. ③ 金持ち父さん 貧乏父さん|資産を持つ意味を考えたい人に
    4. ④ 不動産投資「収益計算」のすべて|数字で物件を判断したい人に
    5. ⑤ 会社員こそ最強の投資家|信用力と失敗を避ける視点を学びたい人に
    6. ⑥ 融資の教科書|銀行が見るポイントを知りたい人に
    7. ⑦ 徹底分析!不動産投資・賃貸経営の成功戦略|買った後まで考えたい人に
  4. 7冊を読む順番|目的別ルート(全体像→数字→融資→経営)
    1. 何から学べばいいかわからない初心者
    2. 具体的に物件を探し始めた人
    3. 融資を使ってアパート経営を始めたい会社員
    4. 長期的に賃貸経営を続けたい人
    5. 50代の会社員なら、どの順番がいい?
  5. 本だけでは分からないこと|現場の本音
    1. ① 本の利回り計算と実際の物件資料の数字は違う
    2. ② 融資は本の知識より「今の銀行の姿勢」が重要
    3. ③ 営業担当者の提案は、誰の数字で作られている?
  6. よくある質問
    1. 不動産投資の本は何冊読めばいい?
    2. 古い本でも役に立つ?
    3. Kindle UnlimitedやAudibleで読める本はある?
  7. まとめ|本で学んだら、次は数字で物件を見る
    1. 関連

結論:初心者はこの3冊から読めばいい

不動産投資の初心者に、私が最初の3冊としておすすめするのは次の本です。

本最初に学びたいこと
① 世界一やさしい 不動産投資の教科書 1年生不動産投資の全体像と物件選び
③ 金持ち父さん 貧乏父さん資産を持つ意味とお金の考え方
⑤ 会社員こそ最強の投資家会社員の信用力と失敗を避ける視点

この3冊は、私自身が実際に読んだ本です。

最初は「何を買うか」より「なぜ買うか」

『世界一やさしい 不動産投資の教科書 1年生』では、不動産投資を始めるための基本を学べます。

私が特に印象に残ったのは、「初心者は現金一括購入で300万円から」という考え方でした。

これは私が読んで受け取った印象であり、現在300万円あれば誰でも不動産投資を始められるという意味ではありません。

続いて『金持ち父さん 貧乏父さん』で、お金を稼ぐことと資産を持つことの違いを考えます。

そして『会社員こそ最強の投資家』で、会社員の信用力をどう活かし、投資の失敗をどう避けるかを考える。

この3冊は扱うテーマが異なるため、組み合わせて考える意味があります。

全体像を知る → 資産を持つ意味を考える → リスクを理解する。

初心者には、この3段階から始めてほしいと思います。

ただし、3冊を読んだからといって物件を購入する必要はありません。

むしろ本を読んだ後に、購入を見送る判断ができるようになることも、大きな成果です。

不動産投資の本・書籍の選び方|実務者が見る3つのポイント

不動産投資の本を選ぶとき、私は次の3つを確認することをおすすめします。

  • 出版年はいつか
  • 著者はどのような立場の人か
  • 失敗やリスクについても説明されているか

本の評価が高いことと、今の自分に必要な情報が載っていることは同じではありません。

① 出版年が古い本でも役に立つ?

基本的な考え方を学ぶなら、古い本にも価値があります。ただし、融資・金利・税制は現在の情報と分けて考える必要があります。

例えば、物件の立地を確認することや、家賃収入から経費を差し引いて収支を考えることは、出版年に関係なく大切な基本です。

一方で、金融機関の融資条件や税制、物件価格などは時期によって変わります。

以前は利用できた融資方法が、現在も同じ条件で利用できるとは限りません。

税金も同様です。制度や適用条件、必要な手続きは改正される可能性があります。

私は、古い本を読むときは「考え方を学ぶ部分」と「最新情報が必要な部分」に分けることをおすすめします。

特に50代の方は、融資期間や完済年齢も重要です。

本に出てくる若い投資家の融資事例を、自分にも当てはまるものとして考えないようにしましょう。

② 著者が投資家・不動産業者・税理士で何が違う?

著者の立場によって、重視するポイントが変わります。

例えば、不動産投資家であれば、自身の投資方法や物件選び、資産形成の考え方を中心に説明することがあります。

不動産業者や賃貸経営の実務者であれば、売買、管理、修繕、入居者対応などの視点が強くなるでしょう。

税理士であれば、所得税や減価償却、相続など、税務上の判断が中心になります。

どの立場が正しいということではありません。

大切なのは、その著者がどの立場から不動産投資を説明しているのかを理解することです。

不動産会社の提案を受けるときも同じです。

融資に詳しい担当者と、建築に詳しい担当者では、提案する内容や得意分野が異なります。

一人の説明だけで結論を出さず、必要に応じて異なる専門家の意見も確認してください。

③ 成功談だけの本を選んでもいい?

成功談は参考になります。ただし、初心者ほど失敗やリスクが説明されている本も選ぶべきです。

不動産投資では、購入前に想定していなかった支出が発生することがあります。

例えば、空室、家賃の下落、設備故障、大規模修繕、金利上昇などです。

物件価格が安くても、修繕費が大きければ投資額は増えます。

表面利回りが高くても、入居者が決まらなければ予定していた収入は得られません。

私は本を選ぶとき、成功する方法と同じくらい「どんな条件なら購入を避けるべきか」を考えられるかを重視します。

現場ではこう見る

不動産の提案営業では、家賃収入や収益性を数字で説明する場面が多くあります。

しかし、計画の数字は前提条件によって変わります。私は良い条件だけでなく、家賃下落や修繕費の増加まで考えられる知識が必要だと思っています。

初心者におすすめの本7選

ここからは、7冊を順番に解説します。

私が読んだのは①③⑤の3冊です。

②④⑥⑦の4冊については、読了した感想ではありません。出版社・著者が公開している内容を確認し、不動産実務者の立場からどのような学習に向いているかを評価しています。

① 世界一やさしい 不動産投資の教科書 1年生|最初の一冊におすすめ

著者:浅井佐知子/出版社:ソーテック社/2015年刊

どんな本か

不動産投資を初めて学ぶ人に向けた入門書です。

出版社の案内によると、不動産投資の基礎から、費用、物件選び、契約、将来の運用までを扱っています。

特徴的なのは、小規模な区分マンションを購入するところから不動産投資を考える構成です。

最初から大きな借入をして一棟アパートを購入する方法だけが、不動産投資ではないと気づくきっかけになります。

私が実際に読んで印象に残ったこと

「初心者は現金一括購入で300万円から」という考え方が、私の印象に残っています。

まずは小さな不動産を持ち、運用しながら経験を積むという発想です。

もちろん、現在の市場で300万円の物件を購入すれば安全という話ではありません。

管理費、修繕積立金、固定資産税などを考えると、物件価格が安いことだけでは判断できないからです。

それでも、最初から大きな規模を目指さなくてもよい、という考え方は初心者に知ってほしいと思いました。

読むと判断できるようになること

まずは、物件購入までに何を確認する必要があるのか、基本的な流れを整理することです。

物件価格だけでなく費用や契約、運用まで考える入口になります。

向かない人

すでに複数の収益物件を持ち、高度な融資戦略や法人を使った投資方法を学びたい方には、入門的に感じるかもしれません。

現場ではこう見る

安い区分マンションでも、管理組合の状況や修繕積立金、建物全体の修繕計画は確認が必要です。

「少額だから安心」ではなく、購入した後の費用も含めて判断しましょう。

② 不動産投資の学校[入門編]|購入までの流れを学びたい人に

編著:日本ファイナンシャルアカデミー/出版社:ダイヤモンド社/2008年刊

どんな本か

ファイナンシャルアカデミーの不動産投資講座をもとにした入門書です。

出版社の紹介では、初心者が不動産投資の基礎から応用までを体系的に学ぶことを目的としています。

不動産投資を学び始めたばかりの人は、物件価格や利回りなど、目につきやすい数字に意識が向きがちです。

しかし、不動産投資には資金計画、物件選び、購入判断、契約、運用といった複数の段階があります。

実務者として見ると、こうした知識を順序立てて整理するための候補になる本です。

読むと判断できるようになること

物件を購入するまでに、どのような知識を身につける必要があるのかを整理することです。

本で基礎知識を学んだ後、実際の物件資料と照らし合わせれば、自分が理解できていない部分も見つけやすくなります。

例えば、表面利回りの計算は理解できても、契約条件や購入後の管理について説明できないのであれば、まだ確認すべきことがあります。

向かない人

2026年現在の金融機関の融資条件や金利、税制を詳しく知りたい人には、この本だけでは不十分です。

2008年刊行のため、出版当時の市場環境を現在の状況と同じものとして扱わないようにしましょう。

現場ではこう見る

物件の購入には、売買契約だけでなく、資金調達、登記、保険、引き渡し後の管理など、さまざまな確認が必要です。

本で購入までの流れを整理したら、実際の物件に置き換えて「自分が次に確認すること」を書き出してみてください。

③ 金持ち父さん 貧乏父さん|資産を持つ意味を考えたい人に

著者:ロバート・キヨサキ/出版社:筑摩書房/改訂版2013年刊

どんな本か

お金や資産形成についての考え方を学ぶ本です。

出版社の紹介でも、資産と負債の違いや、お金に対する考え方が中心になっています。

不動産投資の具体的な物件選びを教える専門書ではありません。

そのため、利回り計算や日本の不動産融資の仕組みを学ぶ目的で読む本とは分けて考えた方がよいでしょう。

私が実際に読んで感じたこと

この本を読んで、私は資産を持つことの大事さを知りました。

そして、食わず嫌いはだめだと思いました。

知らないものを、よくわからないという理由だけで避けてしまう。

それでは、自分の選択肢を狭めてしまうことがあります。

不動産投資についても同じです。

危険だと決めつける前に、どのような仕組みなのかを学ぶことは大切だと思います。

ただし、本を読んで資産を持つことに関心を持つのと、実際に不動産を購入するのは別の話です。

読むと判断できるようになること

給与収入だけに頼る生活と、収入を生む資産を保有することについて、自分なりに考えるきっかけになります。

何のために資産形成をするのか、どんなリスクなら受け入れられるのかを整理するための一冊です。

向かない人

日本の不動産売買契約や、具体的な融資条件、賃貸経営の実務をすぐに知りたい人には向きません。

現場ではこう見る

不動産は資産である一方、保有しているだけで利益が出るとは限りません。

家賃収入を生む可能性があっても、空室や修繕で支出が増えることがあります。「資産を持つ」という考え方を、実際の収支で確かめることが大切です。

④ 不動産投資「収益計算」のすべて|数字で物件を判断したい人に

正式書名:Excelでできる 不動産投資「収益計算」のすべて

著者:玉川陽介/出版社:技術評論社/2017年刊

どんな本か

不動産投資の収益構造を、数字とExcelによるシミュレーションで学ぶための本です。

出版社の案内では、購入、融資、税金、売却までを対象とし、収益計算を自分で行えるようになることを目指しています。

IRR(内部収益率)などの収益指標や、シミュレーション用のExcelについても紹介されています。

実務者として見ると、入門書で全体像を理解した後に、物件を数字で比較するための知識を深めたい人に向いています。

読むと判断できるようになること

例えば、物件価格3,000万円、年間家賃収入240万円という物件があるとします。

表面利回りは次の計算です。

240万円 ÷ 3,000万円 × 100 = 8%

しかし、年間240万円の家賃が入っても、240万円すべてが手元に残るわけではありません。

管理費、固定資産税、保険料、修繕費、空室による損失、融資返済などを考える必要があります。

さらに、将来売却する場合には売却価格や費用も関係します。

こうした数字を分けて考え、どの条件が変わると収益が悪化するのかを検討する力を身につけるための本です。

向かない人

まだ不動産投資の基本用語を理解していない人には、難しく感じる可能性があります。

まずは入門書で仕組みをつかんでから読む方が、数字の意味を理解しやすいでしょう。

現場ではこう見る

私が収益物件を見るとき、特に重要だと考えるのは「想定家賃が実際に取れるのか」という点です。

計算式が正しくても、入力した家賃や経費が現実と違えば、その計算結果で購入を判断することはできません。

⑤ 会社員こそ最強の投資家|信用力と失敗を避ける視点を学びたい人に

著者:木村洸士/出版社:ビーパブリッシング/2026年刊

どんな本か

正式タイトルは『会社員こそ最強の投資家 9割の失敗を回避できる インフレ時代の「負けない」不動産投資』です。

会社員の信用力を活かした不動産投資と、購入で失敗しないための考え方を扱っています。

出版社の公開情報では、融資戦略や物件選び、新築・中古アパートの投資方法などが紹介されています。

タイトルにある「9割」は書名の一部であり、どの投資でも失敗の9割を必ず回避できるという意味で受け取るべきではありません。

私が実際に読んで感じたこと

物価が上がっている今の時代に合った一冊だと感じました。

特に知ってほしいのは、大きなお金を持っていなくても、会社員という立場が銀行からの信用につながる場合があるということです。

私自身、会社員から独立した経験があります。

会社員のときと独立後では、金融機関との相談の進み方が違うと実感しました。

会社員の場合、安定した給与収入や勤続年数などが、返済能力を判断する材料になることがあります。

一方、独立後は事業実績や決算内容など、別の観点から信用を確認されることがあります。

もちろん、会社員なら誰でも融資を受けられるわけではありません。

年収、借入状況、自己資金、物件の評価なども審査に関係します。

それでも会社員であることを、一つの強みとして理解してほしいと思っています。

読むと判断できるようになること

自分の年収や資産、勤務状況を踏まえて、どのような投資を検討するべきかを考えるきっかけになります。

また、銀行から融資を受けられることと、投資として成功することは別だと理解することも重要です。

向かない人

融資を使う予定がなく、会社員の信用力を活かした投資方法にも関心がない方は、優先順位が低いかもしれません。

また、本で紹介される投資方法が、自分の資金状況や年齢に必ず適しているとは限りません。

現場ではこう見る

会社員の信用力は、不動産投資において強みになる場合があります。

ただし、借りられるからといって借りる必要はありません。私は、融資を受けられる金額よりも、家賃が下がった場合にも返済を続けられるかを重視します。

⑥ 融資の教科書|銀行が見るポイントを知りたい人に

正式書名:現役&元銀行員が本音で教える! 初心者も経験者も不動産投資をはじめる前に読みたかった 融資の教科書

著者:融資の教科書製作委員会/出版社:ごきげんビジネス出版/2023年刊

どんな本か

現役・元銀行員の視点から、不動産投資の融資について説明する本です。

出版社の公開情報では、金融機関の種類や選び方、融資を受けるまでの7つのステップ、面談事例などを扱っています。

不動産投資の初心者は、物件を選ぶことに意識が集中しやすいものです。

しかし、融資を使う場合は、物件選びと同時に金融機関について考える必要があります。

実務者として見ると、銀行との相談を始める前に、融資の基本的な考え方を整理するための候補になる本です。

読むと判断できるようになること

銀行へ相談するときに、何を準備し、何を質問すべきかを考えるための知識を学べます。

また、メガバンク、地方銀行、信用金庫など、金融機関によって特徴や取扱方針が異なることを理解する入口になります。

ただし、書籍で紹介された融資方法が、現在も同じように利用できるとは限りません。

実際の融資条件は、必ず相談先の金融機関で確認してください。

向かない人

銀行から融資を受ける予定がなく、現金購入だけを考えている人には、急いで読む必要はありません。

また、特定の銀行の最新金利や審査条件を調べたい場合は、書籍よりも金融機関の現在の案内を確認する必要があります。

現場ではこう見る

金融機関は、借りる人の状況だけでなく、購入する物件の収益性や担保評価なども確認します。

一つの金融機関で希望する融資を受けられなかったからといって、すべての金融機関で同じ判断になるとは限りません。ただし、理由を確認せず借入先だけを増やすことも避けたいところです。

⑦ 徹底分析!不動産投資・賃貸経営の成功戦略|買った後まで考えたい人に

著者:豊田剛士/出版社:合同フォレスト/2019年刊

どんな本か

不動産投資と賃貸経営を、数字やシミュレーションを使って体系的に考える本です。

公開されている書籍紹介では、不動産の基礎、購入から売却、ポートフォリオの考え方などを扱っています。

不動産投資というと、購入することが最初の大きな目標になりがちです。

しかし、物件を購入した後には賃貸経営が続きます。

入居者の募集、家賃設定、管理、修繕、将来の売却まで、考えるべきことは少なくありません。

実務者として見ると、購入前の判断を一歩進めて、長期的な賃貸経営を考えるための候補になる本です。

読むと判断できるようになること

物件を購入するときから、運営と売却までを含めて判断する視点です。

例えば、利回りが高い中古アパートでも、購入後に大きな修繕費がかかれば、期待した利益が残らない可能性があります。

反対に、購入価格だけでは魅力がわかりにくい物件でも、賃貸需要や将来の売却可能性を含めて比較する価値がある場合もあります。

不動産投資では、購入時の条件だけでなく、保有期間全体を考えることが重要です。

向かない人

不動産投資に興味を持ち始めたばかりで、まず基本用語を覚えたい方には、少し先の段階の本かもしれません。

最初は①や②で全体像を理解してから検討するとよいでしょう。

現場ではこう見る

私は、購入時の利回りが良いだけでは、その物件を長く保有できるとは判断しません。

10年後にどの程度の修繕が必要か、家賃は維持できそうか、将来は誰が買うのか。購入する前から考えておくことが大切です。

7冊を読む順番|目的別ルート(全体像→数字→融資→経営)

7冊を紹介しましたが、すべてを最初から順番に読む必要はありません。

目的に合わせて選び、読んだ知識を実際の物件資料に当てはめることが大切です。

何から学べばいいかわからない初心者

①『世界一やさしい 不動産投資の教科書 1年生』
↓
③『金持ち父さん 貧乏父さん』
↓
⑤『会社員こそ最強の投資家』

まずはこの3冊です。

不動産投資の基本を知り、資産形成の意味を考え、会社員としての強みとリスクを理解する流れになります。

具体的に物件を探し始めた人

① 全体像を学ぶ
↓
② 購入までの流れを整理する
↓
④ 収支計算を学ぶ

物件を比較するときは、表面利回りだけでなく、管理費や修繕費などを差し引いた数字を確認する必要があります。

「なんとなく良さそう」から「この条件なら購入を検討できる」へ進むためのルートです。

融資を使ってアパート経営を始めたい会社員

⑤ 会社員の信用力とリスクを知る
↓
⑥ 銀行融資の仕組みを理解する
↓
④ 返済を含めた収益計算を学ぶ

融資の仕組みを理解することと、無理なく返済できることは別です。

銀行からの借入条件を考えると同時に、購入後の収支も自分で計算する必要があります。

長期的に賃貸経営を続けたい人

④ 数字による収益判断を学ぶ
↓
⑥ 融資の考え方を整理する
↓
⑦ 長期的な賃貸経営を考える

物件を購入することではなく、保有し続けることや将来売却することまで考えたい人向けです。

50代の会社員なら、どの順番がいい?

私なら①・③・⑤の3冊で基本を整理したうえで、④と⑥に進むことをおすすめします。

50代では、融資期間や完済年齢によって、毎月の返済額が大きく変わることがあります。

さらに、退職後の収入や手元資金、将来の売却も考える必要があります。

若い人の投資事例をそのまままねするのではなく、自分の年齢と資金計画に置き換えて考えましょう。

本だけでは分からないこと|現場の本音

不動産投資の本は、基本的な仕組みを学ぶには役立ちます。

ただし、本の知識だけで実際の物件を購入できるとは限りません。

私が不動産の売買や土地活用、アパート建築の提案営業に携わってきた中で、特に大切だと感じていることを3つお伝えします。

① 本の利回り計算と実際の物件資料の数字は違う

現場の本音

本に載っている収支計算は、仕組みを理解するために条件が整理されていることがあります。

一方、実際の物件資料では、満室時の想定家賃と現在の家賃収入が異なる場合があります。

私は、利回りの数字を見る前に「その家賃は実際に入っているのか」を確認したいと考えています。

例えば、6戸のアパートで、各戸の想定家賃が月6万円なら、満室時の年間家賃収入は432万円です。

しかし、1戸が1年間空室なら、単純計算では年間家賃収入は360万円になります。

この72万円の差は、収支に大きく影響します。

さらに修繕費や固定資産税などがあれば、実際に残る金額は少なくなります。

本で計算式を覚えたら、実際の物件資料を使い、条件を変えて計算してみてください。

② 融資は本の知識より「今の銀行の姿勢」が重要

現場の本音

私は会社員から独立して、銀行との付き合い方が変わることを実感しました。

私自身の経験では、独立後は事業で3年ほど黒字を続けた実績がないと、銀行になかなか相手にしてもらえないと感じる場面がありました。

もちろん、すべての金融機関が3年の黒字を必須条件にしているわけではありません。

それでも私は、不動産投資を考えている会社員の方には、会社員のうちに大家になる選択肢を検討しておいた方がいいと伝えたいと思っています。

会社員として安定した給与収入があることは、金融機関が信用力を判断する材料の一つになり得ます。

しかし、独立して事業を始めると、会社員のときとは異なる資料や事業実績を求められることがあります。

だからこそ、独立や転職を考えている方は、金融機関が自分をどう評価するのかも理解しておくとよいでしょう。

ただし、会社員のうちに急いで物件を購入するべきだという意味ではありません。

融資を受けやすい可能性があっても、収支が合わない物件なら購入を見送る判断が必要です。

銀行が貸してくれることと、投資として無理がないことは別だからです。

③ 営業担当者の提案は、誰の数字で作られている?

現場の本音

私は土地活用やアパート建築の提案営業を経験しました。

提案書には家賃収入、建築費、借入額、返済額など、さまざまな数字が並びます。

その中で大切なのは、数字がきれいに並んでいることではなく、前提条件に無理がないことです。

例えば、周辺の家賃相場より高い家賃を設定すれば、表面上の収支は良くなります。

修繕費を少なく見積もれば、手元に残るお金も多く見えます。

だからこそ、提案された数字をそのまま信じるのではなく、根拠を確認する必要があります。

家賃はどの物件を参考にしたのか。

空室はどの程度見込んでいるのか。

大規模修繕費はどのように考えているのか。

本で勉強した知識は、こうした質問をするために使ってほしいと思います。

よくある質問

不動産投資の本は何冊読めばいい?

最初は2〜3冊で十分です。

まずは基本を理解する本と、資産形成やリスクについて考える本を組み合わせましょう。

大切なのは、本を読んだ冊数ではありません。

例えば「表面利回り8%」という物件を見たときに、その数字だけで判断せず、家賃や経費、空室などを確認できることが重要です。

3冊読んでもわからないことが残っていれば、その分野の専門書を追加すればよいと思います。

古い本でも役に立つ?

考え方を学ぶなら役立ちます。ただし、数字や制度は現在の情報で確認してください。

資産形成の基本や、収益を計算する考え方などは、古い本からでも学べます。

一方、融資、税金、金利、物件価格などは変化します。

特に税制は国税庁などの公的情報、融資条件は金融機関の最新情報で確認しましょう。

古い本だから読む価値がないのではなく、どの内容が現在も使えるのかを分けて考えることが大切です。

Kindle UnlimitedやAudibleで読める本はある?

Kindle UnlimitedやAudibleの対象作品は、時期や契約条件によって変わる場合があります。

今回紹介した7冊についても、最新の読み放題・聴き放題の対象状況を確認できていないため、対象作品を断定して紹介することは控えます。

利用を考えている方は、各書籍のAmazon商品ページで、次の点を確認してください。

  • Kindle版があるか
  • Kindle Unlimitedの読み放題対象と表示されているか
  • Audible版があるか、聴き放題対象と表示されているか

なお、Kindle版が販売されていることと、Kindle Unlimitedの読み放題対象であることは同じではありません。

Audibleについても、オーディオブックが存在することと、聴き放題対象であることは別です。

購入や登録の前に、現在の表示を確認しましょう。

Audibleで聴ける本や料金・プランは、Audibleの公式ページで確認できます。

▶ Audible(オーディブル)の公式ページを見る

まとめ|本で学んだら、次は数字で物件を見る

不動産投資の初心者は、最初から難しい本を何冊も読む必要はありません。

まずは次の3冊から始めてみてください。

  • ①『世界一やさしい 不動産投資の教科書 1年生』で全体像を知る
  • ③『金持ち父さん 貧乏父さん』で資産を持つ意味を考える
  • ⑤『会社員こそ最強の投資家』で信用力と失敗を避ける視点を学ぶ

その後、実際に物件を検討する段階で収益計算や融資、賃貸経営の本へ進めばよいと思います。

私は宅建士として、不動産の売買や土地活用の現場に携わってきました。

その経験から、最後に一つ伝えたいことがあります。

不動産投資は、知識を増やすことよりも、自分で数字を確認し、購入するかどうかを判断できることが大切です。

本を読んだら、次は実際の物件資料を見てみましょう。

利回りはいくらか。家賃収入はいくらか。経費と返済を差し引いて、どのくらい手元に残るのか。

まだ購入する必要はありません。

まずは数字を見て、自分ならどう判断するかを考えてみる。

そこから始めれば十分です。

最後に、これから不動産投資を学ぶ方に向けて、具体的な数字や資金計画を解説した記事を紹介します。

収支・税金を学びたい方

▶ 不動産投資の収支とは?初心者でもわかるキャッシュフローと税金の基本

家賃収入からどのような費用が引かれ、手元にいくら残るのかを整理できます。

必要な自己資金を知りたい方

▶ 不動産投資はいくらから始められる?自己資金と初期費用を解説

物件価格だけではなく、購入時の諸費用や手元に残す資金について考えます。

銀行融資について学びたい方

▶ 不動産投資ローンとは?初心者が知っておきたい融資の種類と7つのポイント

融資の仕組みや、購入前に確認しておきたい基本を解説しています。

物件を探し始める方

▶ 不動産投資の物件選び|初心者が見るべき7つのポイント

▶ 不動産投資の物件内見で持っていくもの7選|初心者が見落とさないための必須アイテム

マイホームを建てる・買う方へ
家づくりの本は、noteで別にまとめています。
▶ 宅建士で、注文住宅を建てた私が選ぶ。これから戸建てを建てる・買う人に読んでほしい本7選(note)

本で学び、数字を確認し、納得できるまで比較する。

そして、条件が合わなければ買わない。

それも立派な投資判断です。

不動産投資を、もっと正直に。

YUICHI|宅地建物取引士・不動産実務経験者

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