アパート経営について、投資家さんからよく聞かれる質問があります。
「YUICHIさん(筆者)、何かいい情報あります? アパートを買おうと思っているんだけど、やっぱり都内がいいかな?」
「中古アパートのほうが安くて利回りも高そうだけど、実際どうなんだろう?」
「初めて買うなら、新築アパートのほうが安心?」
「完成したアパートを買うのと、土地から購入してアパートを建てるのはどっちがいい?」
こうした相談を受けることは少なくありません。
実際にアパート経営について調べてみると、新築・中古、都内・地方、駅近・郊外、土地からの新築など、さまざまな選択肢があります。
インターネットにも多くの情報があるため、調べれば調べるほど、
「結局、初めてのアパート経営ではどんな物件を買えばいいの?」
と迷ってしまう人もいるでしょう。
もちろん、すべての人に当てはまる「このアパートを買えば正解」という答えがあるわけではありません。
自己資金や融資条件、投資するエリア、目的によって、選ぶべき物件は変わります。
だからこそ今回の記事では、僕が実際に投資家さんから相談を受ける中で感じていることも交えながら、初めてアパートを購入するときに何を基準に物件を選べばいいのかを考えていきます。
会社員が大家を目指すときの準備から購入までの流れは、サラリーマン大家になるための6ステップで解説しています。
新築か中古か、都内か地方か、完成物件か土地からの新築か。
さまざまな選択肢を比較しながら、この記事が「自分はどんなアパートを買えばいいのか」を考える一つの指針になればと思います。
初めてアパートを買うときの基本的な流れ
「どんなアパートを買えばいいのか」を考える前に、まずはアパートを購入するまでの大まかな流れを知っておきましょう。
僕が考える基本的な順番は、次のようになります。
1.情報収集
まずはアパート経営について情報を集めます。
情報源は、インターネットだけでなく、不動産会社、不動産投資のコミュニティ、投資家などの人脈、銀行、税理士などさまざまです。
同じアパート経営でも、立場によって見方や考え方は変わります。
一つの情報だけを信じるのではなく、複数の情報を比較しながら、自分なりの判断基準を作っていくことが大切です。いろいろな意見を聞いたうえで、自分なりに判断できるようにしていきましょう。
2.物件選び
情報を集めたら、実際に購入を検討するアパートを探します。
新築か中古か、都内か郊外か、駅近か郊外か、完成したアパートを買うのか、土地から購入して建てるのか。選択肢はたくさんあります。
そして、今回の記事で一番詳しくお伝えしたいのが、この「物件選び」です。
価格や利回りだけで判断するのではなく、融資、築年数、間取り、部屋数、立地、賃貸需要など、初めてアパートを買う人が何を基準に物件を選べばいいのかを、僕自身の考えも交えながらこのあと詳しく解説していきます。
3.物件の在庫と購入条件を確認する
気になるアパートを見つけたら、まず現在も購入できる物件なのかを確認します。
インターネットの物件情報は必ずしも最新とは限らず、問い合わせたときにはすでに売れていたり、商談が進んでいたりすることもあります。
購入可能であれば、売買価格、購入条件、契約・決済までのスケジュール、手付金などの条件を確認します。
特に融資を利用する場合は、売主が希望するスケジュールと銀行の融資スケジュールが合うかも重要です。
4.融資の相談
購入したい物件が具体的になったら、融資について相談します。
方法としては、自分で銀行へ物件を持ち込む、税理士に相談する、不動産会社から金融機関を紹介してもらうなどがあります。
アパート融資では、買主の年収や資産状況などの属性だけでなく、物件の収益性や担保評価、築年数、エリアなども審査されます。
そのため、「物件を決めてから融資を考える」のではなく、物件選びと融資を並行して進めることが大切です。
5.買付証明書を提出する
購入したいアパートが決まったら、売主に買付証明書(購入申込書)を提出します。
これは、「この条件でこの物件を買いたい」という意思表示です。
購入希望価格、契約・決済の希望時期、手付金、融資を利用するかなどの購入条件を確認して提出します。
融資を利用する場合は、その後の売買契約で定める融資特約の内容も重要です。
予定していた融資が承認されなかった場合に備えて、利用する金融機関や融資申込額、期限、解除条件などを契約前にしっかり確認しておきましょう。
6.売買契約を締結する
売主と購入条件について合意したら、いよいよ売買契約です。
重要事項の説明や契約内容を確認し、契約条件に従って手付金を支払います。
初めてアパートを買う人にとっては、この瞬間が一番ドキドキするかもしれません。
大きな金額の契約だからこそ、分からないことを曖昧なままにせず、一つずつ確認することが大切です。
特に融資を利用する場合は、融資特約の期限や解除条件なども確認してから契約しましょう。
7.決済・所有権移転
融資の準備などが整ったら、いよいよ決済・引き渡しです。
売買代金の残額や必要な諸費用を支払い、司法書士に所有権移転登記などの手続きを依頼します。
同時に売主から、賃貸借契約書、建物や設備に関する書類、管理に必要な資料、建物や各部屋の鍵などを引き継ぎます。
ここでアパートの所有者が売主から買主へ変わります。
8.アパート経営スタート
決済・引き渡しが終わったら、いよいよアパート経営のスタートです。
ここから大切なのは、毎月いくら家賃が入ったかだけではなく、実際にいくら手元に残ったのかを把握することです。
家賃収入からローン返済、管理費、修繕費、税金などを差し引き、毎月の収支を確認していきます。
僕はアパート経営では、「いくらで買ったか」「利回りが何%だったか」だけではなく、最終的に毎月いくら手元に残るのかが大切だと考えています。
購入したら終わりではありません。
物件を買ったところから、本当のアパート経営が始まります。
今回の記事では、この8つの流れの中でも特に重要な「2.物件選び」について、ここから詳しく考えていきます。
初めて買うなら新築アパート?中古アパート?
初めてアパートを購入する人からよく聞かれるのが、
「新築と中古、結局どちらがいいですか?」
という質問です。
僕がまず確認するポイントの一つが、その物件にどのような融資がつくのかです。
金融機関によって審査基準は異なりますが、アパート経営の融資では、買主だけでなく物件についても審査されます。
主に、
- 買主の年収や勤務先、資産状況などの属性
- 自己資金
- 物件の所在地・エリア
- 物件の収益性
- 入居状況
- 土地・建物の担保評価
- 建物の築年数や構造
などを総合的に見て判断されます。
中古アパートを検討している方は、物件を見るときの具体的なチェックポイントをまとめた「中古アパートの選び方|初心者が買ってはいけない物件の特徴を解説」も参考にしてみてください。
新築・築浅は融資期間を取りやすい傾向がある
初めてアパートを購入するのであれば、僕は新築や比較的築年数の浅い物件は、融資の面で検討しやすい選択肢の一つだと考えています。
その理由の一つが建物の築年数です。
たとえば税法上の法定耐用年数は、木造住宅の場合22年です。
ただし、法定耐用年数と金融機関の融資期間は同じものではありません。実際の融資期間は、金融機関の審査方針や物件の築年数、担保評価、借りる人の属性などによって異なります。
中古アパートは築年数が経過しているほど、金融機関によっては融資期間が短くなったり、希望する融資条件になりにくかったりすることがあります。
融資期間が短くなれば毎月の返済額が増えやすく、購入後のキャッシュフローにも影響します。
そのため中古を検討する場合でも、「価格が安いから」「利回りが高いから」だけではなく、どのくらいの期間・条件で融資を受けられるのかまで確認する必要があります。
鉄骨造なら安心とは限らない
鉄骨造のアパートも選択肢になります。
一方、鉄骨造は木造より法定耐用年数が長くなる場合があります。
ただし、鉄骨造は建物の規模が大きくなり、物件価格も高くなるケースがあります。
そのため、初めての1棟では予算や融資条件によって、購入できる物件が限られることもあります。
大切なのは構造だけで判断するのではなく、物件価格、築年数、融資条件、そして購入後の収支を合わせて考えることです。
初めてアパートを購入する人にとっては、融資を受けられるかだけではなく、自分の予算や自己資金に合った物件なのかを見ることも重要です。
僕は「新築だから買う」「中古だから買わない」と単純には考えません。
物件価格・融資条件・利回り・毎月の手残りをセットで比較して、自分に合った物件を選ぶ。
これが、初めてのアパート選びでは大切だと考えています。
中古アパートも融資条件によっては十分あり
ここまで読むと、
「それなら新築アパートを買ったほうがいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、僕は中古アパートがダメだとは考えていません。
融資条件や物件の状態によっては、中古アパートも十分に購入候補になります。
中古アパートの大きなメリットは、新築と比較して初期投資を抑えやすいことです。
さらに、現在の家賃が周辺の家賃相場と大きくズレておらず、安定した入居が見込める物件であれば、新築より高い利回りを期待できるケースもあります。
すでに入居者がいる物件なら、現在の家賃収入や入居状況を確認したうえで収支を検討できることも中古アパートのメリットです。
一方で、注意したいのが修繕費と融資です。
中古アパートは、購入した直後に給湯器やエアコンなどの設備が故障したり、外壁や屋根などの修繕が必要になったりする可能性があります。
「安く買えた」と思っていても、購入後すぐにまとまった修繕費が発生すれば、想定していた収支が変わってしまいます。
2棟目・3棟目になると中古も狙いやすくなる
中古アパートは、初めての1棟よりも、2棟目・3棟目の物件として検討しやすくなる場合があります。
たとえば、すでに所有している収益物件の経営が順調で、金融機関からその実績を評価されたり、既存の不動産に担保余力があったりすれば、新たな融資の審査材料になることがあります。
もちろん、別の物件を所有しているだけで融資が受けられるわけではありません。
それでも、1棟目のアパート経営で実績や資産を積み上げることで、次の物件で選べる融資や物件の幅が広がる可能性があります。
そのため僕なら、初めてのアパート購入では、
「価格が安い中古を買う」ではなく、「融資を含めて無理なく経営できる物件を買う」
という考え方を大切にします。
そして1棟目をしっかり経営し、その実績を次の購入につなげていく。
中古アパートは、そうした2棟目・3棟目の投資戦略まで考えると、より面白い選択肢になってくると思います。
都内と郊外、初めてのアパートはどっち?
僕は関東を中心に不動産の仕事をしているため、投資家さんからよく聞かれるのが、
「アパートを買うなら、やっぱり都内のほうがいいですか?」
という質問です。
そのとき僕は、まずこう答えます。
「都内はキャピタルゲイン、郊外はインカムゲインという考え方があります」
もちろん、すべての物件に当てはまるわけではありません。
ただ、アパートを選ぶときには、将来の売却益を狙うのか、毎月の家賃収入から手残りを積み上げていくのかという視点を持つことが大切です。
都内はキャピタルゲインを狙いやすい
都内のアパートは、一般的に土地価格が高いため、物件の購入価格も高くなりやすくなります。
その分、購入価格に対する家賃収入、つまり利回りだけを見ると、郊外より低くなるケースがあります。
一方で、立地の良い物件は土地そのものに価値があります。
そのため僕は都内のアパートを見るとき、毎月の家賃収入だけではなく、「将来この物件をいくらで売れる可能性があるのか」という出口まで考えます。
つまり、インカムゲインだけでなく、将来の売却によるキャピタルゲインを狙う考え方です。
郊外はインカムゲインを狙いやすい
一方、郊外のアパートは都内と比較して物件価格を抑えられるケースがあります。
購入価格と家賃のバランスが良ければ、都内より高い利回りを確保できる物件も見つけやすくなります。
そこで重要になるのが、毎月の手残り=キャッシュフローです。
家賃収入からローン返済、管理費、修繕費、税金などを差し引いても、しっかりお金が残る物件を選ぶ。
僕はこれを、郊外アパートを選ぶ大きなポイントの一つにしています。
ただし、郊外ならどこでもいいわけではありません。
物件価格が安く、表面利回りが高くても、入居者がいなければアパート経営は成り立ちません。
そのため郊外では特に、「この場所に賃貸需要があるのか」を確認することが重要です。
大切なのは「都内か郊外か」ではなく、何を目的に買うのか
初めてアパートを買うとき、
「都内だから安心」
「郊外だから利回りが高い」
という理由だけで決めるのはおすすめしません。
僕なら、
都内なら、将来の資産価値や売却まで考える。
郊外なら、賃貸需要を確認したうえで毎月の手残りを重視する。
というように考えます。
つまり、先に「都内か郊外か」を決めるのではなく、
「自分はアパート経営で何を得たいのか」
を考えてからエリアを選ぶことが大切です。
キャピタルゲインとインカムゲインとは?
不動産投資では、利益の考え方として「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」という言葉がよく使われます。
キャピタルゲインとは、購入した不動産を売却したときに得られる売却益のことです。
たとえば、購入したときよりも高い価格で物件を売却できれば、その差額が利益につながります。不動産そのものだけでなく、土地の資産価値も重要なポイントになります。
一方、インカムゲインとは、不動産を保有している間に家賃収入から得られる利益のことです。
アパート経営では、毎月入ってくる家賃収入からローン返済や管理費、修繕費などを差し引き、どれだけ手元にお金を残せるかが重要になります。
簡単に考えるなら、
キャピタルゲイン=売却によって得る利益
インカムゲイン=保有中の家賃収入から得る利益
という違いです。
僕が「都内はキャピタルゲイン、郊外はインカムゲイン」と説明するのは、どちらが優れているという意味ではありません。
自分が将来の資産価値を重視するのか、毎月の手残りを重視するのかによって、選ぶアパートも変わってくるという考え方です。
最初の1棟は「地の利」があるエリアがおすすめ
では、初めてアパートを買うなら、どのエリアを選べばいいのでしょうか。
僕が最初の1棟を購入する人におすすめしたいのは、自分で実際に見に行けるエリアの物件です。
できれば、月に1回くらいは自分でアパートを見に行き、掃除ができるくらいの距離感がいいと思っています。
なぜなら、初めてのアパート経営では、実際に自分の目で物件を見ることで分かることがたくさんあるからです。
共用部分はきれいに管理されているか、ゴミ置き場は荒れていないか、建物に不具合はないか、入居者が住みやすそうな状態になっているか。
管理会社に任せることはできますが、最初の1棟だからこそ、自分の目でアパート経営の現場を見ることも大切だと僕は考えています。
不動産投資では「地の利」も大きな武器になる
そしてもう一つ大切なのが、「地の利」です。
自宅の近くや通勤しているエリアであれば、専門家に聞く前から自分自身が知っている情報があります。
たとえば、
- このあたりの家賃はどのくらいか
- 賃貸物件の入居状況はどうか
- 駅からどのくらい離れると不便になるか
- 最近、新築アパートが増えているか
- 新築戸建てやマンションが増えているか
- スーパーや商業施設が増えているか
- 街の雰囲気が以前と比べてどう変わっているか
こうした情報は、インターネットの数字だけでは分からないことがあります。
普段からその街を見ている人だからこそ気づける変化があります。
新築アパートが次々に建っているなら、「賃貸需要がある」と考えることもできますが、同時に「競合物件が増えている」と見ることもできます。
新築戸建てが増えているなら、ファミリー層が流入している可能性もあります。
こうした街の変化を自分自身で感じられることが、地元でアパートを買う大きなメリットです。
初めてだからこそ「知っている街」から探してみる
利回りの高い物件を探していると、自宅から遠く離れたエリアのアパートが魅力的に見えることがあります。
もちろん、遠方の物件が悪いわけではありません。
しかし、初めてのアパート経営であれば、僕はまず、
「自宅や勤務先の周辺に購入できる物件はないか?」
と考えてみることをおすすめします。
最初の1棟でアパート経営を経験し、管理や修繕、入居者募集、毎月の収支などが分かってくれば、2棟目、3棟目では投資エリアを広げることもできます。
最初から全国で一番利回りの高い物件を探す必要はありません。
初めての1棟だからこそ、いつでも自分で見に行けて、自分自身がその街を知っている。
僕は、そんな「地の利があるアパート」も、最初の物件を選ぶ重要な基準の一つだと考えています。
初めてのアパート選び|物件情報で確認したい9つのポイント
不動産会社などから気になるアパートの物件情報を取得したら、すぐに「利回りが高いから買おう」と判断するのではなく、まず物件の内容を一つずつ精査します。
僕が最初に確認するのは、主に次の項目です。
① 物件価格
まずは販売価格です。自己資金や融資だけでなく、その価格で購入してアパート経営として収支が成り立つのかを考えます。
② 建物の構造
木造、鉄骨造など、どのような構造なのかを確認します。構造は融資や修繕、建物の維持管理を考えるうえでも重要です。
③ 築年数
新築なのか、築浅なのか、築年数が経過した中古なのかを確認します。特に中古アパートでは、融資条件や今後の修繕についても考える必要があります。
④ 間取り
ワンルーム、1K、1LDK、2LDKなど、どんな入居者をターゲットにした間取りなのかを確認します。
大切なのは、その地域の賃貸需要と間取りが合っているかです。
⑤ 部屋数
何世帯のアパートなのかを確認します。部屋数によって家賃収入だけでなく、1室が空室になったときに全体の収入へ与える影響も変わります。
⑥ 設備
エアコン、給湯器、インターネット環境、宅配ボックス、防犯設備など、入居者が物件を選ぶときに必要となる設備を確認します。
中古の場合は、設備が「付いているか」だけでなく、いつ交換が必要になりそうかという視点も大切です。
⑦ 駐車場の台数
特に郊外のアパートでは重要です。
地域によっては、駅からの距離以上に駐車場の有無が入居率に影響することもあります。ファミリー向けなら、1世帯で複数台の車を所有する可能性も考えます。
⑧ 駅からの距離
最寄り駅と徒歩分数を確認します。
ただし、「駅徒歩○分」だけで判断するのではなく、実際に駅まで歩いてみることも大切です。
坂道はないか、夜道は暗くないか、途中にスーパーやコンビニはあるかなど、入居者の目線で確認します。
⑨ 周辺施設・生活環境
スーパー、コンビニ、学校、病院、飲食店、商業施設など、実際に生活するうえで必要な施設を確認します。
ここでも僕が大切にしているのは、
「自分が入居者だったら、この場所、この間取り、この設備、この家賃で住みたいと思うか?」
という視点です。
物件価格や利回りを見ることはもちろん大切です。
しかし、アパート経営の収入を生み出してくれるのは、最終的にはそこに住んでくれる入居者です。
だからこそ僕は、物件情報を取得したら数字だけを見るのではなく、「このアパートには誰が住むのか」までイメージしながら精査することが大切だと考えています。
僕なら初めての1棟はこんなアパートを探す
ここまで、新築・中古、融資、エリア、立地などについてお伝えしてきました。
では実際に、僕が初めてアパートを購入する立場だったら、どんな物件を探すのか。
もちろん、自己資金や年収、融資条件、投資するエリアによって、選ぶ物件は変わります。
そのうえで、僕なら最初の1棟は、次のような条件を一つの目安にして探します。
- 価格:8,000万円以下
- 構造:木造
- 築年数:10年以内
- 利回り:6%以上
- 間取り:1LDK以上
- 部屋数:6部屋以上
- 駅からの距離:徒歩10分以内
- 郊外の場合:駐車場台数が部屋数の6割以上
駅からの距離や駐車場についても、僕は入居者目線で考えます。駅を利用する人が多いエリアなら徒歩10分以内を一つの目安にし、車移動が中心の郊外であれば、駐車場の確保も重要です。
もちろんエリアによって賃貸需要は違うため、「駅徒歩10分」「駐車場6割」という数字だけで判断するのではなく、その地域で実際にどんな人が暮らしているのかを見ることが大切です。
すべての条件を満たす物件は、正直なかなか出てきません。
だからこそ、僕ならこの条件に近い物件情報が入ってきたら、まず現地を見に行きます。
そして物件だけを見るのではなく、駅から実際に歩き、周辺環境や競合するアパート、スーパーなどの生活利便施設、街の雰囲気まで自分の目で確認します。
現地を見て「これは検討できる」と思えば、次はすぐに金融機関へ相談します。
なぜ僕は利回り6%以上を目安にするのかアパート経営
本音を言えば、利回りは8%くらい欲しいところです。
ただ、僕が普段見ている首都圏の立地がいい築浅アパートでは、利回り4〜5%台の物件も多く、築浅で6%を超える物件はなかなか出てきません。
だから僕は、「築浅で利回り6%以上」という条件を一つの目安にしています。
もし立地もよく、築年数も浅く、それで利回り6%を超える物件が出てきたら、僕ならかなり注目します。
もちろん、利回り6%を超えているからという理由だけで購入するわけではありません。
なぜその利回りになっているのか、現在の入居状況や家賃設定、修繕の必要性、融資条件などを確認したうえで判断します。
それでも、首都圏の立地がいい場所で築浅・利回り6%超という条件がそろえば、僕にとっては「すぐに現地を見に行きたい物件」です。
表面利回りと実質利回りの違いや、アパート経営で利回りを見るときの考え方については、「アパート経営の利回りは何%が目安?表面利回り・実質利回りの違いを初心者向けに解説」で詳しく解説しています。
条件がいい物件ほど「融資まで含めて」早く動く
ここで大切なのは、
「いい物件を見つけた=買える」ではない
ということです。
アパート経営では、物件が良くても融資条件が合わなければ購入できません。
アパート経営の融資で銀行が見るポイントや、ローンを考えるときの基本については、「アパート経営の融資とは?銀行が見るポイントとローンの考え方を初心者向けに解説」で詳しく解説しています。
逆に、融資が受けられるからといって、無理をして買う必要もありません。
初めての不動産投資で、「まだアパートを購入する決断まではできない」という人もいるでしょう。
その場合は、いきなり現物不動産を所有するのではなく、不動産クラウドファンディングから不動産投資に触れてみる方法もあります。
👉 不動産クラウドファンディングとは?仕組み・メリット・リスクを初心者向けに解説
だから僕なら、
物件情報を精査する → 現地を見る → 銀行に相談する
という流れで判断します。
特に条件のいいアパートは、ほかの投資家も同じように探しています。
普段から自分の購入条件を決めておけば、物件情報が入ってきたときに、
「これは見に行く物件なのか、それとも見送る物件なのか」
を早く判断できるようになります。
僕が挙げた条件が、すべての人にとって正解というわけではありません。
大切なのは、この記事を参考にしながら、自分自身の「買いたいアパートの条件」をあらかじめ決めておくことです。
そして、その条件に近い物件が出てきたときに、すぐ行動できる準備をしておく。
僕はそれが、初めてのアパート購入ではとても重要だと考えています。
ここからは、僕が挙げた条件の中でも、特に「間取り」と「部屋数」を重視している理由について、もう少し詳しくお伝えします。
なぜ僕は1LDK以上の間取りを重視するのか
僕が初めて購入するアパートの条件として、「1LDK以上」を一つの目安にしているのには理由があります。
まず考えているのが、入居者の選択肢です。
単身者向けというと1Kをイメージする人も多いと思いますが、最近僕が物件を見るときは、一人暮らしでも少し広めの部屋を求める人の需要を意識しています。
特に荷物が多い人や、自宅で過ごす時間を大切にする人にとって、1Kでは少し手狭に感じることがあります。
多少家賃が上がっても、
「寝る場所と生活する場所を分けたい」
という人にとって、1LDKは魅力的な選択肢になります。
また、1LDKは一人暮らしだけではありません。
カップルや二人暮らしの入居者も対象にできるため、1Kよりも幅広い入居者を想定できるのがメリットだと考えています。
1Kは競合物件の多さも確認する
もう一つ僕が気にしているのが、競合物件です。
投資用アパートでは長年、収益性を重視して1Kを中心とした単身者向け物件が多く供給されてきました。
そのためエリアによっては、1Kの賃貸物件が多く、入居者を獲得するための競争が激しくなっていることがあります。
もちろん、駅近や大学・企業の近くなど、1Kの需要が強いエリアもあります。
大切なのは、
「1Kだからダメ」「1LDKだから安心」と決めつけないことです。
購入を検討しているエリアに、
「1Kは何室くらい募集されているのか」
「1LDKはどのくらいの家賃で募集されているのか」
「実際にどんな間取りの新築アパートが増えているのか」
を確認してみる。
そのうえで僕なら、需要と競合物件のバランスを考えて、1LDK以上を優先して探します。
アパート経営では、建物を建てて終わりではありません。
その部屋を選んでくれる入居者がいて、長く住んでもらって初めて家賃収入が生まれます。
だから僕は利回りだけではなく、
「この間取りなら、誰が住んでくれるだろう?」
というところまで考えて物件を選ぶようにしています。
なぜ僕は6部屋以上を目安にするのか
僕がもう一つ重視しているのが、「6部屋以上あるアパート」です。
アパート経営は、一棟全体から家賃収入を得る事業です。
そのため、同じ1室の空室でも、総戸数によって収入に与える影響が変わります。
たとえば4部屋のアパートで1室が空室になると、単純計算では家賃収入の25%がなくなります。
ローン返済や管理費などの支出は空室になっても続くため、物件の収支によっては、1室空いただけで毎月の手残りがほとんどなくなってしまう可能性もあります。
一方、6部屋のアパートで1室が空室になった場合、家賃収入の減少は単純計算で約17%です。
つまり、部屋数が多くなるほど、1室の空室が一棟全体の収入に与える影響を分散しやすくなります。
もちろん、部屋数が多ければ必ず儲かるということではありません。
購入価格や家賃、ローン返済、管理費、修繕費などを含めた収支を見る必要があります。
それでも初めてアパートを購入するのであれば、僕は1室空いたときでも経営を続けやすい物件かどうかを考えます。
その一つの目安として、僕なら6部屋以上のアパートを探します。
満室のときにいくら儲かるかだけではなく、
「1室空いても、このアパートの収支は大丈夫か?」
ここまで計算してから購入を判断することが大切です。
完成物件を買う?土地から新築アパートを建てる?
完成したアパートを買うのか、それとも土地から購入してアパートを建てるのか。
僕はまず、すでにアパート用地を持っているかどうかで考え方が大きく変わると思っています。
すでにアパートを建てられる土地を持っているのであれば、僕は新築アパートを建てる選択肢を優先して検討します。
一方、土地を持っていない人が初めてアパート経営をするのであれば、僕ならまず築浅の中古アパートから探します。
もちろん、土地を購入するための自己資金に余裕があり、金融機関からの融資についても見通しが立っているのであれば、土地から購入して自分でアパートを建てるという選択肢もあります。
土地から建てる大きな魅力は、間取りや部屋数、設備などを考えながら、自分が理想とするアパートをつくれることです。
ただし、土地の購入から建築まで行うため、完成したアパートを購入する場合と比べて投資額が大きくなりやすく、投じた資金を回収するまでに時間がかかる可能性があります。
そのため僕は、初めてのアパート経営で土地から購入して建てるのであれば、単に「新築がいいから」という理由ではなく、相続対策など土地から建てる明確な目的があり、さらに金融機関からも資金計画について一定の評価を得られていることが重要だと考えています。
土地を持っているなら新築。土地を持っていない初めての人なら築浅中古。土地から買って建てるなら、目的と資金計画を明確にする。
これが、僕が初めてのアパート経営について相談されたときの一つの考え方です。
まとめ|初めてのアパートは「自分の基準」を決めてから探そう
初めてのアパート経営では、「これを買えば正解」という物件はありません。
自己資金、融資条件、購入するエリア、そしてアパート経営をする目的によって、選ぶべき物件は変わります。
だからこそ大切なのは、物件情報を見てから「買おうか、やめようか」と迷うのではなく、先に自分なりの購入基準を決めておくことです。
アパートを探していると、「新築がいい」「中古は利回りが高い」「都内が安心」「郊外のほうが儲かる」など、本当にさまざまな情報が入ってきます。
僕なら初めての1棟では、融資を受けやすい築年数や構造を意識しながら、入居需要、間取り、部屋数、駅からの距離、駐車場、周辺環境などを一つずつ確認します。
そして何より、最初の物件だからこそ、自分で見に行ける「地の利」のあるエリアを大切にします。
いい物件は、探しているときに都合よく出てくるとは限りません。
だから普段から情報を集め、自分なりの購入条件を決めておく。
そして、
「この物件は自分の条件に近い」
と思える情報が入ってきたら、現地を見て、収支を確認し、金融機関に相談する。
最後に買うかどうかを決めるのは自分です。
最初の1棟は誰でも迷います。
だからこそ、ネットにある「おすすめ物件」を探すのではなく、自分自身が納得できる購入基準を作ることから始めてみてください。
この記事が、これから初めてアパートを購入する方にとって、その基準を考える一つの指針になればうれしいです。
不動産投資を、もっと正直に。
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